鏡餅と具足餅

餅屋4代目

2007年11月27日 23:22

「鏡よ鏡よ鏡さん、世界中で一番美しい女性はだーれ?」

と継母が鏡に聞き、「それは白雪姫です。」と答えが帰ってきた為、猟師
に白雪姫の殺害を命じる程、女性の鏡を通しての美の意識には昔も今
も変わらないものがあるんでしょうね。



鏡餅の名前の由来は、形が丸くて鏡に似ているから、(初期の鏡は青銅製で丸かった。)
鏡餅というようになったという説もありますが、

正月に自分の1番大切なものに、「今年も1年間よろしくお願いします。」と自分の魂を重ねて願ったというのが、本来の姿でしょう。


女性が毎日お世話になる鏡に、「今年も素敵な女性でありますように!」
と願いを込めて鏡台に飾ったのが鏡餅の名前の由来だと考えられます。




それでは男性は何に鏡餅を飾ったのでしょうか?

室町時代から江戸時代まで、男性が命の次に大事だったもの!
それは鎧(よろい)や甲(かぶと)等の、戦の時に自分の命を守ってくれる
「具足」(ぐそく)でした。

戦がない常時は、床の間に飾ってある具足に正月に飾った餅。
「今年も、自分の命を守ってください。」との願いを込めて飾った餅を
「具足餅」(ぐそくもち)と呼びました。

つまり江戸時代までは、飾る場所によって「鏡餅」と「具足餅」の
2つの呼び名があったわけですね。

明治時代以降、武士の身分がなくなり、「具足餅」の名前が忘れ去られ、
鏡餅を床の間に飾る習慣が残ったのでしょうね。


皆さんも、来年のお正月には「1番大事なもの」に鏡餅を飾られると
素晴らしい1年間になるかもしれませんよ!


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